ふたり

ゆかと敬は全く違う人生を歩んできて別々に死んだ。男と女が入れ替わり新しい人生が始まった。

抜け径3 

 しばらく夢の中の草の径で敬と会うことはできないでいる。どうも敬の能力は私のより弱いようだ。私から敬の部屋を訪ねる必要がある。部屋に巡らされた電波は全く見えないし感じない。カプセルの中に敬は眠っている。
「目を覚ませ敬」
「来てくれた?」
「草むらの径に出れないのか?」
「体が重い」
「よし、引っ張ってあげる。今日はベットのある隣の部屋に行ってみよう」
 部屋に入るとテーブルには誰もいない。しばらくここには来ていない。
「みさき部屋に入ってるかな?」
 次の瞬間二人の入っている部屋の中に立つ。みさきが死んだように大股開きで重なるように男の子が繰り返し振動をしている。
「駄目だよ。みさきの膣から血が流れているよ」
「機械のように擦り付けているの。どうも指令されたように動いているだけ」
 敬が男を退けようとするが掴むことはできない。私が替わって押してみるがやはり感触がない。
「声を聴けても壁を抜けれても現実のものには手を出せない。でも何か方法があるかもしれない」
 指先に力を入れてみる。すると微かに感触があった。被さっていた男が体を起こした。そして不思議そうに後ろを見ている。
「指先に力を込めると感触があった」
「凄い!」
 敬がみさきの唇を吸っている。
「唇を感じるよ」
 よしこれから訓練をしよう。








2018/02/18 Sun. 06:35  edit

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抜け径2 

「大丈夫?」
 看護婦がこの部屋に顔を出した。
「移動させるので手伝うように言われたわ。どんな検査しているの?」
「分からない。何か話を聞いていない?」
 看護婦はポケットからメモ用紙を出してきて書き出した。
『病室のシステムが入れ替えになったの。話を聞くと至る所に電波が流されるようになったわ』
『電波?』
『医者が言うにはあなたが部屋を出ているのではないかと医院長が心配しているそうよ。そんなことができるはずがないのにね。医者も笑っていたわ』
 医院長は夢の中を動き回れる可能性があると考えている。だがもうそれよりもっと進化して、現実の中も歩き回れる。話も聞けるし壁の中もすり抜けれる。医院長は死にかかった男と女の肉体をすり替えて再生している。これだけでも大した技術だ。だが本当の実験はここからなのだと思う。すり替わった男と女に不思議な現象が起こるとみている。
 確かに起こっているのだ。だがこれを知られてたら敬も私も完全にモルモットにされる。張り巡らされた電波に私たちは引っかかるのだろうか。
『電波は?』
『部屋中に流れている。触れても何にも感じることはないけど、監視のパソコンに電波に触れると捕えられると言うことよ。その電波の種類を分析すれば相手を見分けれるらしいわ』
『いつ部屋に戻る?』
『もうすぐしたら運び込まれるわ』
『敬も?』
『そうだと思うわ』







 

2018/02/17 Sat. 05:33  edit

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抜け径1 

 急にドアが開くとガードマンが3人入ってきた。看護婦が驚いて、
「どうしたのですか?」
「医院長からの指示で話をしたいと言うことです」
とは言っているが私は運ばれてきた車椅子に縛られる。医者が付いて廊下を押されていく。この廊下は記憶がある。ずっと奥に進むとエレベターに乗り込む。この建物には地下があるのだ。
「よし」
 医院長の顔が見えた、医者だけを置いてガードマンは部屋をいでていく。
「君はどんな夢を見る?」
 完全に腕は椅子に拘束されている。
「今までと同じ草むらの径ですが」
「誰といる?」
「夢ですから一人です」
「君はあの敬と言う子と夢の中でも一緒にいるのだろう?二人を調べたら同じ反応だ。夢の中で一緒に動き回っている。こういうことになると言うのも実験の想定内にあった。だが機械では全くとらえきれないのだ」
「これからどうなるのですか?」
「しばらくここで検査をしてもらう」
「あの部屋には?」
「敬も同じ検査をする。部屋は別になるがな。しばらくここに泊まってもらう」
 分厚いカルテを拡げて首を振っている。何かを見つけたのだろう。もう少し今の能力を確認する必要がある。時間はあまりないかもしれない。
 その夜夢の中で草むらの径には敬の姿がなかった。私は思い切って想像をしていた隣の病室に飛び込んだ。その部屋にはカプセルのベットがあり、敬が寝かされている。医者が機器を覗き込んでいる。
「敬!」
 敬の体がすっとカプセルから出てきた。
「よくここが分かったね?」
「どうして草むらの径の来なかった?」
「草むらが見えなくなった」








2018/02/16 Fri. 06:45  edit

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秘密基地11 

 やはり草むらの径で敬と出会う。そのまま思い切り敬を秘密基地に引っ張り込む。これは頭の中で考えていた作戦だ。一度消えた二人をすぐに追うことができるか。
「どう頭痛は?」
「ないよ」
 手を繋いだまま見たことがない部屋に入る。ベットに転がって本を見ている。
「私の担当看護婦よ。やっぱり思っていたように隣に部屋にあった」
 壁にモニターがあって私の部屋が映っている。もちろんカプセルには私はいない。壁にカレンダーが貼ってあって過ぎた日にバツが付いている。その横に写真が貼ってあって彼女の両手に娘と息子を抱いている。
「よし、敬の看護婦も見に行こう」
 だが廊下に降りてしまったようだ。廊下には敬と言うプレートがかかっている。その横が看護婦の部屋だ。すり抜けるように中に入る。
「へえ!凄い若い」
 まだ20歳代だ。ビデオを見ているようだ。
「ひょっとして?」
 敬が全裸で寝かされている。この看護婦は全裸で敬のものを咥えている。こんな映像が取れるのか?
「覚えている?」
「知らないよ」
 映像にガードマンが写っている。ガードマンが協力しているのか病院の実験なのか。この看護婦が反り立った敬のものを自分の中に咥えこんで腰を振っている。実際見ている看護婦が裸になって悶えている。
「恥ずかしいよ」
「病院に缶詰と言うのはきついのね。私たちはモルモットとして実験として性行為をするように作られているのよ。これを見ているのって大変よね」







2018/02/15 Thu. 07:15  edit

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秘密基地10 

「気分はどう?」
 看護婦が声をかけてくる。
「何かあった?」
「検査中に痙攣を起こして気絶したようなの」
「気絶?」
「カップルの彼女も同じに」
 私が敬を秘密基地に引っ張った時に気絶したのだろう。秘密基地には検査が届かないようだ。
「それと彼氏が射精していたようよ」
「医者はどういっているの?」
「今のカップルでは初めての現象らしく相当注目しているわ。それであなたの膣も調べたら尿漏れしてたの。それで私たちもこのパンツをはかせて定期検査をすることになったの。どんな夢を見たか覚えている?」
 そうかこんな現象になるのだ。
『カルテを見せてくれる?』
 メモを見て看護婦は引き出しを開ける。
「目が覚めたら何も覚えていない」
 カルテにはこのカップルに実験の不思議な現象が出ているとある。同じ夢を見ているのか、夢の中で出会っているのか。そういうコメントが医師から書かれている。ここはこれから注意すべきところだ。
『ここは国の事業なの?』
『それは知らない。でも定期的に政府の人が来てるようだわ。私も何だか心配なの』








2018/02/14 Wed. 05:48  edit

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