ふたり

ゆかと敬は全く違う人生を歩んできて別々に死んだ。男と女が入れ替わり新しい人生が始まった。

あの日8 

『やはり救急車はあの病院に着いた。小山が山の反対側に猪の入口を見つけていた。陽が落ちたら入ってみる』
 探偵からのメールだ。今日は朝からシオンの引越しを手伝っている。彼女はどうしても風呂のない部屋は駄目だと言うことで3人で今の簡易宿泊所から通天閣の裏に移ることにした。3人が川の字で寝ることにした。セックスも週に1度と決めた。それにシオンのドラッグも取り上げた。
『病院には相当数のガードマンがいます。一番背の高い建物には保存された死体がカプセルに入っています。100体ほどありますが、保存されず焼却されている死体もあると思います』
 私はメールを返して敬と二人で布団に入る。4時になったら起こしてくれるようシオンに頼んだ。これはアキラに依頼していたドラッグの卸しをしている男の動きだ。部屋をくぐり抜けて男が電話している男の後ろに立つ。
「女じゃなかった?」
 私は受話器に耳を寄せる。
「病院からクレームが入っている。すぐに相手の女の方を捕まえろ。そうしないとお前の店に捜査を入れると言ってるぞ」
「分かったよ。これは俺がやる」
 男は椅子を蹴飛ばして部屋を出る。
「まだシオンは安全ではない。どうする?」
「少し荒っぽいがしばらく入院してもらうよ」
 男の後ろをついて建物の外に出る。男は赤信号でイライラしながら立っている。
「敬は下がっていて」
と言って私はピッタリと男の背中にくっ付いた。
「おい!何をするんだ」
 その声とともに男は押し出されるように車に飛び出した。
「あなたは人を殺すのに2度も手を貸した」




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2017/03/18 Sat. 06:52  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

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