ふたり

ゆかと敬は全く違う人生を歩んできて別々に死んだ。男と女が入れ替わり新しい人生が始まった。

メレンゲ9 

 遠距離移動で大阪に行く。金子のワゴンに敬が乗っている。敬は体のある生身だ。金子の報告の質問をするには敬の仲介がいる。
「このマンションに看護婦が監禁されている。やはりいつかの『Mオフィス』の社員が2人交代で監視している。初日に発信機が止まった。荷物が調べられたのだろう」
 これは金子が敬に向かってしゃべっている。
「いつからここに?」
 ゆかの声は敬には聞こえるが金子には聞こえない。これをもう一度敬がしゃべる。
「3日目だ。今日はいつもの2人に見知らぬ男が入った」
「私は行く」
 教えられた部屋に入ると予想通りの光景が展開している。看護婦は全裸で大股開きで寝かされている。男がカメラを回している。部屋には札束の入った段ボール箱が置いてある。鞄の中身が新聞紙の上に丁寧に並べられている。それから彼女の服や下着が並べられている。何かを探しているのだろう。
「昨日は膣の中に内視鏡を入れたし、アナルは浣腸をしてすべて吐き出した」
「だが君らは遊び過ぎだ」
とこの男は裸の看護婦の腕に注射を刺した。
「それは何だ?」
「公安ではよく使う誘導剤だ」
「彼から貰ったのはこの札束だけか?」
「お金だけ」
「この鞄は?」
「それに入れて貰った」
「この鞄の内側に切られた跡がある。そこに何があった?」
「知らない」
 私が抜き出したものだ。すっかり忘れてダンボール箱に入っている。







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2017/04/21 Fri. 06:57  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

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