ふたり

ゆかと敬は全く違う人生を歩んできて別々に死んだ。男と女が入れ替わり新しい人生が始まった。

メレンゲ8 

 看護婦の話はまだ小山にも冴にも話していない。金子もどうも彼女が解明のカギを握るのではないかと思っている。小山に話すとすぐに記事にしてしまう。私は多摩の精神病院に着いてから毎日検査が続いている。病院の一室が『メレンゲ』の特捜チームの隠れ家になった。医師も入れて7名のメンバーがつめている。
『看護婦が消えた』
 金子からの携帯だ。
『どうしたの?』
『発信機の移動があったので病院に行った。そしたら何も告げずいなくなったと受付で言われた。荷物はすっかりなくなっていたよ。それで昨日は発信機を追って大阪に出た。『Mオフィス』が絡んでいるようだ』
『大阪に行こうか?』
『まだいい。病み上がりだと敬から聞いている。もうしばらくこちらで調べてみる』
 今日は8時まで検査が続いた。ようやく部屋に帰ってきて夕食だ。冴が食事を持って入ってくる。私は外出禁止なのだ。彼女と私は同室にいる。冴は冷蔵庫からワインボトルを出してくる。
「これは先ほど警視庁から聞いたのだけど、あの隠れ家が襲われたそうよ」
「シオンは?」
「すでに小山が別の部屋に移していた。報告では公安が来たようなの。動きが派手になってきたわ。それと殺された医者の捜査も始まったわ」
「あの極秘ファイルは出せないの?」
「あれは駄目だと上からあった。公安が不正アクセスで調査を行っている。『メランゲ』の代表は総理でも手ごわい反主流派と組んでいるの」
 冴はもう唇を合わせてくる。



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2017/04/20 Thu. 06:50  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

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