ふたり

ゆかと敬は全く違う人生を歩んできて別々に死んだ。男と女が入れ替わり新しい人生が始まった。

本丸9 

 みさきの後ろを私は付いて公安の建物に戻る。机の上に書類が置かれみさきは体の中に消える。私は今度はみさきの中に入る。座っている白衣の男たちはみさきが戻ってきたことを知ったようだ。スーツ姿の男がみさきの置いた書類を手に取っている。これが冴が言う秘書のようだ。
 みさきが体を起こす。
「これは違う。他になかったか?」
 私がみさきの中で言葉をささやく。
「この前は一杯あった書類がなくなっていて、この書類だけが残っていたの」
「感づかれたのか?」 
「ありえます。あの年上のカップルを確保して話を聞いていた可能性があります」
「それで書類を移動したのか?」
「警備も倍ほど厳重になっています」
 この男は公安のようだ。
「総理は?」
「私が入った時その書類を読んでいた。何かわざと電話も小声で話していた」
「気づかれているな」
と立ち上がると秘書は慌ただしく出て行った。
「トイレに行っても?」
「いいよ」
 トイレに入ると私は体から抜け出た。
「みさき逃げ出すのよ」
 私は外に出るとロッカーから白衣を盗んでくる。







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2016/10/31 Mon. 06:47  edit

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本丸8 

 2日山道を迂回して東京の多摩に出た。
「どうだ?小山さんの行方は?」
「今特捜チームで探しているが、公安に連れ去られたしか分からないわ」
「公安のあの建物か?」
「24時間体制で見張っているが、あの反主流の秘書が出入りしている」
「どうして?」
「総理の部屋に人が入った形跡があるの。総理の弱みを探しているの。だがボディガードの他特捜もいるのに何度もは入れれている」
「みさきかも?」
「あのカップルの他にも体を抜けられる奴がいたの?」
「総理の部屋に入ってみてもいいよ。冴は公安の建物を張っていて」
 すでに考えていたのかマル秘の間取り図面を出す。あの地図を頭に入れて眠る。次の瞬間私は官邸内の廊下を歩いて壁を抜けて総理の部屋に入る。まだ部屋の中には前にあった総理が椅子に掛けて書類を見ている。私は慎重に棚の影から見ている。私はみさきを警戒している。
 総理が出て行くとドアの鍵がかけられる。スーと空気が動いたような気がした。みさきの姿がはっきり現れた。彼女は全く周りに注意を払っていない。まだ経験が薄いのだ。それとカップルの相手が動けないので力が弱いのだ。みさきはまっすぐにキャビネットの中に体を入れていく。
 しばらくして書類を掴みだしてくる。私はその手を掴んだ。
「みさきだったのね?」
「命令なの?」
「でもここに巻き込まれたらダメよ」
と言いながら私もキャビネットから別の書類を出してきた。
「この書類を持って帰るのよ。いくらでも助けるよ」









2016/10/30 Sun. 06:19  edit

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