ふたり

ゆかと敬は全く違う人生を歩んできて別々に死んだ。男と女が入れ替わり新しい人生が始まった。

抜け径8 

「どうだ部屋が替わって?」
 医院長が入っている。医師と看護婦が機械を運んでくる。
「君は不可解な行動をしている。どう見ても君はこの部屋から抜け出している」
「どうしてこんな頑丈なところから?」
「分からない」
と言って体に器具を取り付ける。
「君は敬を迎えに行っただろ?」
「いえ」
 どうも嘘発見器にかけているようだ。
「反応がないな。だが同じ質問に敬は反応している」
「敬のことは分かりません」
「監視していて変なところは?」
 若い看護婦に言う。
「何度も寝ているところを見に来ましたが異常はありませんでした」
「君はどんな夢を見る?」
「草の径を歩いている夢でそこからは覚えていません」
「夢を追いかけたが君はそこからも消える」
「夢から消えるって?」
「分からない」
 イライラしているのかボールペンで機械を叩いている。
「このままではカップルを変える」








スポンサーサイト

2018/02/23 Fri. 06:06  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

tb: --  |  cm: 0

top △

抜け径7 

「久しぶりだな」
 隣の部屋で敬に会う。
「ずいぶん警戒されたな」
「そうね。医院長は私たちの能力に気付いたようよ」
 敬が腕をひぱって部屋に入る。
『私の力ではあの電波は抜けられない』
 敬の力はまだ弱い。
『次からは私が迎えに行く。それよりトイレを見てみる』
 私はトイレに入って気になっていた裏のドアを押してみる。しっかり鍵が掛かっている。この向こうに階段がある。だがそれ程強固な鍵ではないようだ。手に持っているメモ用紙をその隙間に挟む。ここが逃げ道になる。
「トイレいい?」
 怪しまれるので声をかけてきた。
『ここには電波が流れていない』
「おなかの調子が悪いの」
と言って部屋に戻る。
『どうするの?』
『このままではどんな実験がされるのかわからない』
『でも…』
『私は夢の中でも物が動かせると思っている』






2018/02/22 Thu. 06:53  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

tb: --  |  cm: 0

top △

抜け径6 

「どうしたのです?」
「やはり電波の微弱な反応があったの」
 先ほどから作業員が出入りしている。
「それがね、あなたの部屋と相手の男性の部屋だけ」
「それで疑われているわけ?」
「でもこんなところから出れるわけがないよ」
「私もそう思うけどね。でも医院長はそうでもないのよ。しばらく看護婦が替わるわ」
 もう後ろに敬の担当の看護婦が立っている。
「よろしくね。敬の相手ね?」
 あのエロイ若い看護婦だ。何かを飲まされたのか意識が遠のく。その前に体から抜け出す。変な感じだが寝ている自分を上から覗き込む感じだ。看護婦の後ろに医者がいつの間にか立っている。看護婦は私の服を脱がしていき全裸にする。医師の男ももう裸になっている。
「監視カメラは?」
「止めているわ。でもこの子いい体してるわ」
 看護婦の手が私のものを拡げる。
「早く入れて」
「まさか医院長はご存じなしか。でもこんなことがないとここでは続かないからな」
 どうもこれは病院の実験ではなくこういうことが内々に行われているのだ。看護婦がビデオで克明に撮っていく。
「これを裏で売るのはどうかと思うが?」
「そのくらいはいいのよ。ここの実態に比べたら正常よ」







2018/02/21 Wed. 06:01  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

tb: --  |  cm: 0

top △

抜け径5 

「みさきはどうだった?」
 草の径に現れた敬に問いかけた。
「よかったよ。妬ける?」
「いや、どうも電波は私たちには通じないようだよ。今日は鎖のかかった建物の中に入ってみる」
 ここだけはまだ入ったことがない。だが場所は看護婦から聞いている。敬を連れて森の中の道を歩く。ここは日当たりが悪い。ガードマンも立っていない。
「すり抜けるよ」
 壁の向こうは暗闇だ。窓からの光に目が慣れるまでじっと立っている。
「たくさんのカプセルが並んでいるよ」
「これは私たちが入っているカプセルと同じものよ。つまりベットが棺桶になる」
 2階も3階もカプセルが続いている。
「100体近くある」
「いつまで実験を続けるのだろうか?」
 カプセルには実験開始日と死亡日が入っている。
「ここにいればいずれここに並ぶことになるよ」
「みさきの彼には精液を入れるなと言っておいた」
「私もみさきに言った」
 3階の窓から青い空が見えている。
「これからどうする?」
「逃げる」
「逃げる?」
「幽霊じゃ困るので体も一緒にな」







2018/02/20 Tue. 06:00  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

tb: --  |  cm: 0

top △

抜け径4 

 初めて隣の部屋に出してもらった。敬の姿がない。みさきの姿もない。一人テーブルにみさきの相手の男性が暇そうに私を見ている。その時に異常に彼の目が光った。何か暗示を受けている。男の手が私の腕をひぱった。部屋に入ると私のスカートを捲り即座に入れてくる。
「急に入れようとしても濡れてくるのまで待つのよ。あなたのようにみさきにしていたら気持ちよくないのよ」
「ああ」
「まず優しく舐めるの」
 天井のカメラが動いている。これを仕掛けたのは医院長だ。これも実験なのだ。
「お尻の穴に舌を入れて」
「いいのか?」
「気持ちいいのよ。私も舐めてあげる」
 彼のものより小さい。
「あなたはどうしてここに来たの?」
「生まれてから病弱だった。だから抱かれたことがなかった」
「今度は優しくみさきを抱いてあげるのよ。みさきはあなたなの」
「気持ちがいい」
「私も気持ちがいいよ」
 耳元で囁く。
「でも精液は外で出すのよ」
 軽く頷いている。
「慌てることはない。ゆっくりゆっくりやるのよ」





 

2018/02/19 Mon. 06:38  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

tb: --  |  cm: 0

top △