ふたり

ゆかと敬は全く違う人生を歩んできて別々に死んだ。男と女が入れ替わり新しい人生が始まった。

踏み込む4 

「何を入れたのですか?まさかシオンのものが懐かしくなった?」
「あほな!小型の発信機を膣の中に入れた。恐らくシオンをあの白いワゴンで伊豆の病院に運び込むつもりだ。行先は分かっているがもし見逃して違うところに運ばれたらお終いだ」
 チエは『橋本』に行って敬から私の荷物を預かってくれている。それから当分の携帯食を積んでガソリンも満タンに入れた。チエは一人事務所の仕事を引き受ける。金子は携帯で小山と念入りに打ち合わせをしている。私は白いワゴンを見詰めている。やはりワゴンもガソリンを入れたようだ。
「第3弾の記事が出たようだ」
「第3弾?」
「人体実験の調査を克明に載せた。あのカプセルの写真も載せたそうだよ」
「それでは大変なことになるのでは?」
「少し事情が変わったようだ。この仕事が終わったら東京に来てくれと言っている」
「でもこれは内閣府の中から金が出ていると?」
「そうだ。だから公安が動いている。詳しいことは東京に行ってからだ。まず記録を撮りながらシオンを救う。これがまず立ちはだかる壁だよ。動き出した」
 金子がゆっくりとハンドルを回す。前の白いワゴンにシオンが積み込まれた。
「後ろを尾行するのはなかなか難しいのだ。出来る限りバックミラーの視界を取る」
と言って作業服に黒眼鏡をかける。
「運転手の見せかけを繰り返すのだ。一人で尾行してきた経験だよ」








スポンサーサイト

2018/04/24 Tue. 05:50  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

tb: --  |  cm: 0

top △

踏み込む3 

「目を覚ましたか?」
 金子の顔が覗いている。
「今手術室に入っている。懇意にしている看護婦に部屋に監視カメラをセットしてもらった。ここで殺される危険はないのだな?」
「適性検査をするようだわ。運び方はそれから考えると」
「小山と話したがシオンは助け出すがぎりぎりまで記録を撮りたいと言うことだ」
「ぎりぎりって?」
「可能な限りあの病院に着くまでだ」
「難しいよ」
「でも今の状態も難しい。まず買ってきた弁当を食べてそれから個室に行ってほしい」
 弁当はチエが買ってきたようだ。
 2時間ほどするとその看護婦から携帯が入った。私は毛布にくるまって眠る。金子は医師の格好になり病院に入ってく。私は次の瞬間個室の中にいる。シオンの寝ているベットに女とあの医師が座っている。
「検体として適正だ。寝させたまま運び出す。今回は公安を通さないことになった。私も一緒にワゴンに乗って病院に行く。そちらは運転手と君が乗れ。事務長に金を渡して処理を頼んでくる」
 医師が出た入れ替わりに金子が白衣を着て入ってくる。
「心臓が弱いから調べてくれとのことです」
と言って胸を拡げる。聴診器を当てているが隣に座っている女は携帯をかけている。大胆にも金子の指が下腹の膣の中に入っている。





2018/04/23 Mon. 06:53  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

tb: --  |  cm: 0

top △

踏み込む2 

 私の体を積んで金子は天王寺病院に走る。チエがパソコンでホテルの位置を知らせてくる。私はこの距離なら一瞬だ。部屋のドアを抜けるとそこに裸の男が3人、服を着ている女がビデオを回している。ベットに全裸で尻を突き上げるように屈んでいる。
「次は俺だ。夜から3周りだから9回もしてる」
「中は精液でぐちゃぐちゃよ!3人の複製の子供が生まれてくるのかしら?」
 女が膣から流れてくる精液を指で突いて接写している。シオンはこんな場面でも快楽にしたっている。4周りの男がまた反り立ってきて押し込む。
「それで終わりだ。社長が医師が来たら天王子病院に連れて行けと言っている」
 チャイムが鳴って医師が姿を現した。
「やはりやっていたのか?」
と言うなり医師は服を脱ぐとアナルの方に大きくなったものを入れる。
「凄い!すんなり入った!」
 女がまた接写している。
「検体とやるの?」
「それはない。ほとんど救急車で運ばれてきたときは心肺停止状態だ」
 30分で終わると鞄から注射器を出して腕に打った。
「殺した?」
「馬鹿な。睡眠薬だ。これから病院に運び込む。君はビデオを置いて女の二つの穴の液を拭き出してくれ。さすがにこんなものが流れているとやばいからね」
 もうシオンは眠っている。女が穴を拭きとると下着をつけて服を着せて毛布に包む。
『白のワゴンがそちらに行く』
 私は金子にメールを打つ。












2018/04/22 Sun. 06:55  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

tb: --  |  cm: 1

top △

踏み込む1 

 金子がワゴンを借りてきた。ここは金がないので車を使うときはいつもレンタルだ。今日は事務所は閉めて全員が車に乗っている。駅前ビルの地下のガレージに入れる。金子は『Mオフィス』を表から出入りを見張る。チエは車の番と連絡係だ。私は後ろに毛布に包まって眠る。
 事務所の前に来るとトイレから金子が覗いているのが見える。もちろんドアを通り抜ける私は見えない。部屋には受付だけで誰もいない。応接室から声が聞こえる。
「あの女の子をどうしましょう?」
「今更救急車を使うのも不味いでしょうね。元気な人体を使うのはさすがに初めてです。医院長と相談してみます」
 これはあの医者だ。前にいるのは髭の社長だ。医者は携帯で医院長を呼び出している。私はその耳元まで近づく。
「あのシオンと言う女を捕まえたのですが、どうしましょうか?」
「今週刊誌に狙われているから、あまり大胆なことはできない。まずそちらなら天王寺の病院に連れて行き、君が適性検査をするのだ。適性内容は君にメールを送る。病院には私から連絡を入れておく」
「はい。さっそく」
 医者は携帯を置くと、
「でどこに?」
「暴れたので近くのラブホテルに監禁しているようです」
「まさか検体に手を出していないよな?」
「・・・」
 自身がないのか社長は答えない。
「まあしかっりやっている女らしいから1度や2度はどうってことない。それよりまずそのホテルに連れて行ってくれ」
 社長は携帯を入れて机のメモ用紙に『メランコリー301』と書いた。








2018/04/21 Sat. 06:36  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

tb: --  |  cm: 0

top △

初めの一歩11 

 夜8時に『橋本』の前に戻った。敬がみよちゃんと探し回っていてくれたようだ。
「確かに見たのよ」
「それはいつだった?」
「4時だったわ。窓から少し覗き込んでいた」
「敬はいつカラオケ居酒屋に行った?」
「出前に帰ってきてからだから4時半かな」
「その時間だとまだ女の子は来ていないよね?私今から行ってみる」
 私はその足でカラオケ居酒屋のドアを開ける。敬が後ろから着いてくる。
「シオン来なかった?」
「見てないね」
 年配の女が振り向いていう。
「いや、ここに入ってくるときに表で見かけたぞ」
「何時だった?」
「5時を少し回っていたな。またシオンが戻ってきているのかと楽しみにここに入った。だがいくらたっても入ってこなかった」
 入口で『Mオフィス』の連中が張っていたのだ。今回は救急車と言うような手の込んだ方法を使っていない。シオンはマークされていたのだ。
『シオンが『Mオフィス』に捕まえられた』
 メールを金子に入れた。
『一度マンションに戻ってみる。明日大阪駅前ビルに行こう。何か動きがあるかも知れない』





2018/04/20 Fri. 07:07  edit

Category: ミステリー

Thread: ミステリ - Janre: 小説・文学

tb: --  |  cm: 0

top △